「 Let’s Talk ! 」File 09 モロカイ海峡横断泳リレーメンバー座談会 part2

オーシャンナビのメンバーに直撃インタビューするLet’s Talk。

モロカイ海峡横断泳リレーメンバー座談会

6人で得たかけがえのない海峡横断体験

ハワイ・モロカイ島からオアフ島の間に横たわるモロカイ海峡は、

*のひとつに数えられ、世界中から多くのチャネルスイマーたちが集まる聖地。現地では「カイウィ海峡」として知られるこの海原にこの7月、6人のオーシャンナビのメンバーが挑戦し、見事完泳を果たしました。15時間2分にわたった挑戦の舞台裏をメンバーのみなさんに語っていただきました。

《メンバー》

千葉寿夫さん

神戸謙二さん

高尾克則さん

山下千春さん

井田充彦さん

箱根美紀代さん(座談会は欠席)

フィニッシュ地点のオアフ島、サンディビーチでキャプテン・マイクと。

Part1を見逃した方はこちら!

「 Let's Talk ! 」File 09 モロカイ海峡横断泳リレーメンバー座談会 part1
オーシャンナビのメンバーに直撃インタビューするLet’s Talk。 モロカイ海峡横断泳リレーメンバー座談会 6人で得たかけがえのな...

<Part2>

強風予報と恐怖のクッキーカッターシャーク

―― いざ挑むにあたって一番不安だったことは?

神戸 一番は天候。予報を見ると風が強くて、成田からの出発時点で既に、現地に行っても出られるかどうかわからない状況だったんです。あれは不安でした。現地について最初に「できるかどうかはフィフティー・フィフティー」って言われましたから。

夜中2時スタート前の準備。ビーチでライトを装着する。

千葉 7月10日に現地に着いてから14日まで待機状態。

神戸 到着した7月10日がちょうど満月で、満月になるとクラゲが一斉に産卵してその後1週間も経つと泳ぎにくくなる、というキャプテンの説明でこの日程に決まってたので、結構焦りがありました。

井田 7日間確保していた日程の中で下手をすると7日間全部ダメなんじゃないかと。現地についてオファーされた日が到着から4日目。これがベストだと言われた時は、万が一その日もダメだと残りの日数が少ないし、本当に泳ぎ出せるのか心配でした。

高尾 ここから近いもう少し穏やかな海でやったらどうかっていう提案もされましたよね。キャプテンもかなり微妙だと思ってたんですよね、きっと。あと不安というか、恐怖だったのが「クッキーカッターシャーク」と呼ばれる小型のサメ。到着して現地の送迎車に乗ったところで「怖いサメがいる」と聞いてみんな震え上がりました。山下さんが一番怖がってたよね。

山下 噛まれた傷跡の写真とか見ちゃってたので・・・。現実味のある危険を感じてすごく怖くなったんです。命を落とすようなものではないんですけど、噛み跡が痛そうで。

千葉 結構グロかったよね。

高尾 しかもこのサメは一般的なサメ対策が効かない。海峡を泳ぐ際には、通常シャークシールドという装置を使って電流を流すんですけど、このクッキーカッターシャークはそれを嫌がらないそうなんです。

神戸 そこでキャプテンが提案してくれたのが、夜中に出航することでした。今までは夕方出発だったそうなんですけど、それを逆にした。深海700mに生息するサメなので、太陽の光を嫌うんですね。だから昼間は海面付近に上がってこない。夜中に出て、深海域を通る頃には太陽が上がっているようにと、夜中の2時スタートってことになりました。この対策をしてサメに噛まれた人はゼロだと。

山下 それでも気まぐれなサメが上がってくるんじゃないかとびくびくしてましたけど。

出航時はまだ元気な山下さん。

泳ぐよりきつかった船酔いとの戦い

―― そんな心配事がいっぱいある中でスタートしたわけですけど、泳ぎ始めてからはどうでした?

山下 正直、泳ぐことより船の上での船酔いの方がきつかった。船の上ではほぼ寝たきりでした(笑)。泳ぎ始めるとホッとしたぐらいです。

高尾 1人1回30分ずつって決めて、それをきっちり実行していったんですけど、そうすると泳いでる時間30分に対して船の上で待ってる時間が2時間半。船上で体力を削られて、泳いでる時に回復するみたいな感じでした。

千葉 泳ぎそのものは問題なかったです。みんなオーシャンナビでがっつり練習してますから。

朝日を浴びながら泳ぐ。うねる海面。

神戸 あの日は慣れてるはずのキャプテンも吐いてましたからね。

井田 多分そこまでうねりがある状況でも、キャプテンが出航を決断してくれたってことなんだと思います。自分が吐くくらいの海況でも、この日を逃したら期間中には無理だろうっていう判断だったんだと思います。

山下 なるほど、確かにそうですね。

船上で比較的元気な人たち。

船酔いでもう無理状態な人たち。

―― そんな海況で泳ぎ切れたのは、やはりこのメンバーだったからかも知れませんね。

高尾 モロカイは横からの潮がないので津軽のように曲がって違うところに行っちゃうということはないんです。だから泳いでいればいつかは到着すると思うんですけど、このメンバーだからやり切れたという側面はあるかもしれないですね。後で見たらだいたい100m2分のペース。スピードは出てなかったですね。

―― 泳いでいる時の気分はどうでした?

山下 船酔いから解放されるし、「私、今海峡を泳いでるんだ!」ってメンタル的にも上がりましたね。

高尾 海は深くて何も見えないからひたすらディープブルー。神秘的でした。

井田 ホント、ただただ真っ青でしたね。一度泳いでいる最中に空を見たら大きな鳥が自分の上をぐるぐる回ってて、獲物だと思われてるんじゃないかとちょっと怖かったけど。

高尾 岸に近づいてくると、水の透明度がようやくわかるようになってくる。珊瑚礁や海底の砂に泳いでいる自分の影が映ってたり。日本の海峡と違うなと思ったのは、波の周期。日本は小刻みに上下する感じでしたけど、モロカイはすごく大きな周期でゆったり大きく海面が上下するんです。太平洋の大きさみたいなものを感じました。

真っ青な海を独り占めする贅沢な時間。

神戸 僕はメンバーの中で一番泳力がなかったんで、泳いでる時も余裕はなかったです。それなのに、最後の1回は時間調整で予定より長く泳ぐハメになって・・・。

山下 神戸さん、最後まで結構元気なんだなと思って見てたんですけど。

神戸 全然元気じゃなかったよ! 吐きそうにつらかったよ! もう終わりだと思って船に近づいいて行ったらスーッと遠ざかっていくっていうのが3回もあったんだから。

次回は、、、

<Part3> 最後は6人全員で泳いでフィニッシュ

次のアップをお楽しみに!

取材日:2025年8月
取材・文:東海林美佳
仕事の都合で1年ほど朝スイムにほとんど通えない状況が続いた後、最近新代田に復活しました。そして、全然泳げなくなっていることを実感。初心にもどって出直します。まだ諦めてないよ。

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