オーシャンナビの会員さんに直撃インタビューする新企画が始まりました。第1回目はレッツスイム新代田で泳いでいる小泉久美子さんです。
File 01 小泉久美子さん |
1956年生まれ。水泳歴は2005年から。オーシャンナビ暦は2012年から。現在は週3〜4回のペースで新代田に通う。スイムピクニック、御蔵島ドルフィンスイム、海峡横断リレー、ハイパー合宿等のイベントにも度々参加。外資系証券会社を早期退職し、現在は気楽な一人暮らし。横浜在住。特技は「よく食べ、よく寝ます!」 |
大海原を独り占めする 海峡横断に魅せられて
——以前は外資系の金融会社でバリバリお仕事されていたとか?
そうですねー。当時は朝家を出て仕事して帰ってくるともうへとへと、みたいな感じで、他に何かする時間が全然とれないような生活でした。今は超マイペースで生活してますけど。
——水泳を始めたのは、お仕事を辞めてから?
そうです。そもそもは25mをクロールで泳ぎたいと思って最初はジムで泳いでいたんですが、そこで仲間にオープンウォーターに声をかけていただいたのが海で泳ぐきっかけなんです。海で泳ぐための基礎やテクニックを教えてくれるところがないかと思ってたどり着いたのがオーシャンナビ。2012年頃でしょうか。当初は家から近い二子玉川に通っていたんですが、そこが閉鎖になってしまって、意を決して新代田に通うようになりました。でも車で通い始めたら以外と近かったです。
——新代田には週に何回のペースで行っているんですか?
週に3〜4回ですね。朝4時半起きになるので、それ以上はちょっと無理(笑)。最初から最後までメニューをこなすので、1回に3500mぐらいは泳ぎます。1ヶ月に5万m前後は泳いでるんじゃないでしょうか。
——もともとスポーツは何かやっていたんですか?
スキーぐらいでしょうか。数年前、オーシャンナビでスキーツアーがあって、それがスキーをやった最後かも。今はもっぱらスイムです。もともと自分でやるより観るのが好きなんです。野球が好きで、巨人ファンなんですよ。シーズン中は欠かさずテレビ観戦してましたし、時々スタジアムに観戦に行ったりも。あとはバレーボールやラグビーなんかも好きで見てました。
——オーシャンナビの海外スイムツアーなどにも参加されてますね。
はい。ボルネオのツアーに初めて参加した時は、目からウロコ。アイランドホッピングといって、島から島へと泳いで渡るんですが、「海のこんな楽しみ方があったんだ!」って思いました。水中の景色が変わったりするのも楽しかった。それまでは、レースに出ることが海で安全に泳ぐ唯一の方法だと思っていたんですけど、ボルネオでは「ゆっくりでいいんだよ、あそこに向かって泳ごうね」って言ってもらいながらリラックスして海を満喫できたんですね。カヤックやボートでのサポート体制にも安心できました。レースだとブイとブイの間をぐるぐる回る感じが多いですけど、遠くの目標に向かって泳いで海を渡るというのはとても新鮮でした。この体験から、のんびり海を楽しむスイムピクニックというスタイルの大ファンになり、国内外のツアーに毎回のように参加するようになりました。
——その延長が海峡横断リレー?
そうかもしれません。佐渡は2014年から毎年行ってます。津軽は2016年に1度。今年も行きます。(注:7月13日、3名のチームで見事完泳!)
——佐渡は毎年! その魅力は?
佐渡は海がすごくいい。リレーでも1回に泳ぐのは一人。一人で大きな海をぽつんと泳いでいるとすごい開放感なんです。大海原を独り占めしているような。そして、海の状況は毎年違います。流れも違うし波の高さも違っていて、それが面白いんですよね。1回だけ、時化であと2〜3kmっていうところで終了になってしまった年もありました。それも経験。何度泳いでもまたここで泳ぎたいって思える海なんです。
——津軽はまた違う感じなんですか?
全然違いますね。海の色も激しさも違う。津軽は流れや潮目が厳しい海です。腕を回し続けても全然進まない。戻っていることもある。そういう状況の中だと、泳力の高い人で乗り切らなきゃいけなくなるんですが、そういう時にも少しでも戦力になれるようにっていうのが、日々の練習のモチベーションです。速くなりたいというよりも、荒れた海でも乗り切れる力をつけたいなと思うんです。だから、横断泳が近づいてくると、朝練のつらいメニューをやっている最中でも、頭のなかで「津軽、津軽」って思いながら乗り切っています。
——過酷な状況を乗り越えたいと思う気持ち?
そうですね。次にそういう状況になった時には前よりもうちょっとマシになっていたいと思うんです。ハイパー合宿にもそういう気持ちで参加してます。海峡横断をやるのにハイパーに行かないというのはその時点で負けてるというか(笑)。
——自分に厳しい! でも目標があるからこそがんばれるんですね。オーシャンナビに出会って人生変わりましたか?
打ち込めるものに出会えたことが大きいです。オーシャンナビに来なければ、海峡横断泳というものを知る機会もなかったと思います。普段から私の泳ぎを見て泳力を熟知しているコーチがいるからこそ、海峡横断泳のようなことにも挑戦できる。多少無茶に思えることにも飛び込めるのは、そんな信頼関係あってこそだと思っています。
——25m泳ぎたいという人が、今は海峡横断ですもんね!
恐れ多くも(笑)。
——上達するために大切なことは何でしょう?
「この人に習いたい!」と思う尊敬するコーチとの出会い。明確な目標とそれに沿った練習が継続できる環境。身近に「この人のように泳げるようになりたい」と思う憧れの対象がいることもモチベーションになります。
——最後に、オーシャンナビのコーチのみなさんへひとこと。
海のいろいろな楽しみ方を教えていただき、感謝しています。そして、褒めて伸ばす指導に、いつもその気にさせられています。これからもご指導よろしくお願いします。
小泉久美子さんが2020年7月13日に再び達成した津軽海峡リレー横断泳の映像
取材日:2020年6月
取材・文:東海林美佳 ライター。一般誌、企業誌、スポーツ専門メディアなどに寄稿。新代田に通って10年以上経つも「冬眠癖」がたたって4コースが定位置になってしまっている。2013年より津軽海峡横断泳のオブザーバーとしてオーシャンナビをサポート。 |