「 Let’s Talk ! 」File 08 茂出木 孝臣さん

オーシャンナビのメンバーに直撃インタビューするLet’s Talk。第8回は新代田1コースで泳ぐ茂出木孝臣さん。ニックネーム「エース」の意外な由来から、ここで初めて口にしたという今年達成したい目標まで、スイムに賭ける熱い想いをうかがいました。

File 08 茂出木 孝臣(もでぎ たかおみ)さん

1974年生まれ。東京都目黒区出身。ご褒美のアイスにつられて3歳で水泳を始め、小3から高3まで選手コース。高2の時には関東春季で200m個人メドレー3位入賞。新代田には2017年より通い始め、現在は1コースにて週3回ペースで泳いでいる。2022年、2023年とジャパンマスターズ水泳400m自由形で年代別2連覇、2023年世界マスターズでは、オープンウォータースイミング3kmの部と400m個人メドレーで年代別7位入賞。趣味は写真。被写体は主に風景。遠征先にカメラを持っていくことも。

佐渡の海峡リレーを経て、津軽単独泳へ。
今年こそ完泳を目指します。

—— オーシャンナビで泳ぐようになったきっかけは?

ある日SNSで50m×216本っていう投稿が流れてきて、気になってクリックしてみたらオーシャンナビだったんですけど、そのコーチ陣の中にマスターズ界の有名人「櫻井智和」の名前を見つけて、それなら行ってみよう、と思ったんです。櫻井さんは大会でいつも1番をとっていて、すごい人だなーと思って見ていたので。

――それ以前は1人で練習を?

時々先輩がコーチをやっているクラブで一緒に練習させてもらったり、仕事終わりに区民プールで1人で泳いだりしながらマスターズに出ていたので、オーシャンナビに出会って、定期的に通えるちょうどいいところが見つかったなと。自分の種目も自由形長距離だし、練習仲間もいっぱいできそうだし、朝なら早起きすれば通えるし。

――最初の印象はどうでした?

すげー、こんなにたくさんの人が早朝から泳いでいるんだ・・・と。1コースにせいぜい3、4人ぐらいかなと思って行ったら10人以上いたんで、びっくりしました。練習メニューも最初はきつかったですよ。こんなに朝から泳がされるんだって。ただ泳ぐだけじゃなくて、ドリルをやって、その意味も説明してもらって、それを踏まえて泳いでみましょう、みたいな感じで充実していて。基礎と追い込んだ泳ぎの両方を、朝からこんなにきっちりやってくれるのはありがたいと思いました。

――それ以前の水泳歴、スポーツ歴は?

3歳からスイミングに通い始めて、小3から高3まで選手コースで泳いでいました。種目は最初は背泳ぎだったんですけど、自由形の方が合っていると当時のコーチに言われて自由形と個人メドレーの中長距離をやっていました。水泳は高校卒業時にいったん区切りをつけて、大学ではアメリカンフットボールをやりました。

――大人になって水泳を再開したきっかけは何だったんですか?

子供が生まれた時、ベビースイミングに通わせていて、付き添いのお父さんたちはこっちで泳いでいいですよっていう感じで自分達も泳がせてもらってたんですね。で、丸20年ぶりに泳いだら25mでゼイゼイいってしまって「あれ?」って(笑)。その後に区民大会に出てみたらより「こんなはずじゃない」という思いが強くなりまして、そこで火がついちゃったんです。

――泳げていた自分に戻りたくなったわけですね。

はい。そこから今に至る感じです。

――改めて泳ぎ始めて、水泳のどこに面白味を感じますか?

奥が深いですよね。陸上じゃないので浮力との戦いみたいな部分が特殊だと思うんです。守谷コーチがよく、浮心と重心って言うんですけど、その2つを合わせる難しさとか。基本に忠実に、根気強く続けていくことで身についていくものなんだと思います。水泳って再現性を競う側面があって、まず理想のフォームを見つけて、それを今度は反復して体に覚え込ませる。そしてどんな状態でもそれを維持できるようにするのが大事なんじゃないかと思っています。フォーム維持って大変で、僕、今でも水曜日のベーシックに行くとフォーム直されまくってますから。

――これまでにオーシャンナビのイベントではどんなものに参加しましたか?

合宿ではハイパー合宿と富士合宿。合宿中は他の参加者とほとんど水泳の話ばかりしてました。手のかき方はどうするの?とか、角度はこうだとか、本当に水泳の話しかしなくて、それがいい。結局みんな水泳が好きなんだなーと。水泳だけに没頭できる時間は楽しいです。合宿の後は泳力がつくのも実感できますし。

ーーオープンウォーターのイベントも?

はい、佐渡の海峡横断リレーにも参加しました。最初は確か2017年だったかな。

ーー「エース」というニックネームはそのときついたと伺ってますけど・・・。

あー(笑)、えーっとですね、これにはいわくがありまして、最初に泳いだらリレーチームの女子メンバーのみなさんが「速い、速い!茂出木さんはこのチームのエースだね!」って言ってくれてたらしいんです。で、上がってきた時に「エース」って呼ばれたんですけど、その後からひどい船酔いになりまして、まったく使い物にならなくなってしまって・・・。打ち上げでも「エース」って呼ばれて「僕全然役に立ってないのでやめてください」って恐縮してたら、吉田保さんが「船酔いのエースだから」って言ってくれたので、「船酔い」付きなら「エース」と呼ばれようと受け入れまして。

ーー正式には「船酔いのエース」だったんですね(笑)。

その後佐渡へはもう1回リベンジしに行きました。

ーーどうでした、海峡横断泳体験は?

チームの仲間と励まし合いながら一つのことを達成するってすごくいい経験だったし、楽しかったです。マスターズだけやってるとそういうことってないので。そもそも海を泳ぐようになったのもオーシャンナビに来るようになってからで、初の海レースが湘南10キロ。当時2コースで泳いでたんですけど、みんなに「大丈夫、いけるよ」って煽られて何も知らず、補給も持たずに出たら地獄でした。完走率3割の年で、なんとか完泳はしましたけど終わった瞬間にもう二度とやらない、と思いました。その後もやってますけど(笑)。

ーー海のレースの面白さは?

湘南の場合ワンウェイっていうのもあると思うんですけど、先が読めなくて、この先海況がいいのか悪いのか、潮はどっちに流れているのかとか、わからないままどこまで攻めて泳ぐかとか、そういうわからない中で賭けに出る面白さがあるんですよね。

ーーそして昨年は津軽海峡の単独泳を目指したんですよね。

現地までは行きましたけど、海況が悪くて泳ぐことはかないませんでした。

ーー津軽に向けてはどんな練習をしてきたんですか?

海に行く時間がなかったので、とにかくプールで長時間泳ぎました。早く出社して仕事を片付けて、4時ぐらいに上がってあとは区民プールで延々4、5時間泳ぎ続ける。結構名物になっちゃってました。最終的に泳げなかったのは残念ですけど、自然相手だからしょうがないですよね。船長さんたちが「今年は海がおかしい」って言ってて、その時点で半分諦めてました。

ーーソロで海峡を泳ぎたいと思ったのはなぜ?

オーシャンナビってすごい人がいっぱいいるんですよね。カナヅチだったのにオーシャンナビに来て練習して湘南10km完泳した人とかいて、それって、僕が津軽をひとりで泳ぐよりすごいことだと思うんですよね。参加条件だけでも厳しいのに。僕の場合はもともと泳いでたわけだから、同じぐらい努力して何かを成し遂げたいと思ったら、津軽の単独泳かなと。

ーースイム上達のために大事にしていることは?

コーチに言われたことはやってみる。違うんじゃないかなと思っても、とりあえず全部やってみるようにしています。あと、メニューにあることはちゃんとやる。大会前の調整で手を抜く時もありますけど、その時はちゃんと宣言して抜いてます。

ーー今年の目標を教えてください。

まずは津軽の完泳です。去年は津軽を目指して練習をやったことで泳力がついて、マスターズでも以前より一段上の結果が出るようになったので、そういう意味でもすべてに通じると思っています。

もうひとつは1500mの18分切り。今年は年代が一段上がるので。現在の50歳以上の日本記録が18分20秒なんです。だから18分切りを目指してやっていけば日本記録は出せるはず、と思ってます。この1年がチャンスなんですよ。来年になると櫻井コーチがこの年代に上がってきちゃいますから(笑)。

ーーオーシャンナビと出会ってよかったことは?

楽しく切磋琢磨できる練習仲間が増えたこと、そして海で泳ぐことの楽しさに気づけたことです。

ーーコーチ陣に要望があれば教えてください。

僕、平成初期の体育会育ちなので、ほめられるのが怖いんですよ。叱られないと見捨てられちゃった気がして(笑)。なので甘やかさず、ビシバシご指導お願いします。

取材日:20241

取材・文:東海林美佳

先日ふと数えたら自分のオーシャンナビ歴が15年を迎えることに気づきました。まあまあベテランじゃん!ずっとビギナーのふりしてきましたが、もう通用しないですね。引き続き精進あるのみです。

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『Let’s 100m×50本』@代々木