「 Let’s Talk ! 」File 06 高橋久美子さん

オーシャンナビの会員さんに直撃インタビューするLet’s Talk。第6回目は三鷹のメンバー、高橋久美子さんです。

File 06  高橋久美子さん
1956

年生まれ。プールでオーシャンスイマーに声をかけられたことがきっかけで、オープンウォータースイミングを始める。数々の大会に参加する他、仲間とともに下田から大島、また、新潟から佐渡への横断泳にも挑戦。2019年よりレッツスイム三鷹に参加。趣味は編み物、裁縫などの手仕事で、ステンドグラスは湯布院にある私設博物館のエントランスを飾るほどの腕前だそう

魔法のようなドリルにハマりました
三鷹の居心地のいい雰囲気も大好きです

—— 泳ぎ始めたきっかけは?

これは、レッツスイムに通い始める前の話なんですが、10年ほど前に乳がんになりまして、その治療の関係でウィッグを被って生活していた時期があったんです。治療が終わって何か運動したいと思ったんですけど、まだウィッグがあるのであまり汗をかきたくなかったんですね。それで思いついたのが水泳でした。プールに行けば、ウィッグを外してキャップを被ってしまえばいいわけですから。それで、近くの市営プールに通い始めたんですよ。泳ぎは習ったことがなかったんですが、自己流でクロールはできたんです。そんな風にして泳ぎ始めたら、ある時年配の女性から「海好き?」って声をかけられたんです。その方が「私たちは海で泳ぐことを中心に活動しているチームなんだけど、入らない?」って。

――スカウトされちゃったわけですね(笑)

当時は海を泳ぐスポーツがあるなんて知りませんでした。私の中では、海といったらリゾート水着を着てパラソルの下でビールを飲むイメージ。海でがんがん泳ぐなんて考えもしなかったです。

半年後、髪も伸びてきた頃に見学に行ったんです。そうしたら「一緒に泳ぎましょうよ。大丈夫よ、海はクロールしかやらないし、ターンも飛び込みもないから」って言われて軽い気持ちで入ってしまった。そしてその年には網代から初島までのリレーと、弓ヶ浜の3kmを泳ぐ大会に出ていました。弓ヶ浜は初めてひとりで泳いだオープンウォータースイミングのレースです。『太平洋ひとりぼっち』っていう冒険家の堀江謙一さんの本があるじゃないですか、あんな気持ちになりました。

――3kmって結構な距離だと思うんですけど、泳げる自信はあったんですか?

全然(笑)。スタート前にブイが見えて、とんでもないところまで泳ぐんだなと思いました。「どうしよう!」と思ったんですけど時すでに遅しで、泳がざるを得ない。でも沖に行った時の解放感は格別でした。自分に合ってたんでしょうね。それをきっかけに、そのチームの仲間と下田〜大島とか、新潟〜佐渡とか、いろんなことをやりました。

――そんな、バリバリのオーシャンスイマーになっていた高橋さんがレッツスイムに参加したきっかけは何だったんですか?

それまではクロールをひたすら泳ぐ練習しかしたことがなくて、フォームなどはずっと自己流で泳いできたんです。でもやっていくうちに、どうやって手を動かせばいいのかとか、そういう基礎的なところに疑問を持ち始めて、どう泳いでいいかわからなくなっちゃって。それで、友達がレッツスイム三鷹を教えてくれて、自転車で行ける距離だったので通うようになったんです。それが2019年。

――通ってみてどうでしたか?

ドリルがめちゃくちゃ楽しかったんですよ。魔法のようなドリルで、それをやった後に急に泳ぎが楽になる。でも魔法だからすぐに解けちゃってあれ?今のは何だったんだろう?って(笑)。今まできちんと泳ぎを習ってこなかったので、新しいことばかり。がむしゃらに泳ぐだけじゃなくて、いろんなメニューがあるので気分転換にもなるし、とにかく楽しい。この年齢になると力任せでは泳げなくなってくるんです。フォームを重視してきれいに泳ぐことの大切さが身に染みてわかります。

これまで海だからクロール以外は必要ないと思ってきたんですが、初めて参加した時阿弥コーチが「そうじゃないんですよ」って。他の泳法ができるとクロールも上達すると言われて、上手くはできないですけど、なんちゃってバタフライとかなんちゃって平泳ぎに挑戦するようになりました。実際、レッツに通うようになってから海での泳ぎが格段によくなり、タイムも上がりました。これは本当に、教えていただいたおかげです。

――レッツスイムを始めて一番よかったことは何ですか?

スイムの成績が上がったというのもあるんですが、一番は新しく出会った人たちの刺激を受けて、新しいことができるようになったことですね。一緒に三鷹で泳いでいる方に誘われて、鹿児島の甑島(こしきしま)というところのアクアスロン大会にもチャレンジしたんです。走るのなんて初めてだったのに、3位になって驚きました。とにかく楽しかった。またひとつ、世界が広がったなって。

――それにしても、ちょっと始めてみようというところから、ずいぶん遠くに来ましたね。

それは、がんのおかげ。それがなかったらこういうスポーツを知らないで過ごしていたでしょうね。いろんな人に出会って、世界が広がりました。ちょっとしたきっかけで人生の方向って変わっていくものなんですね。

――コーチへひとこと。

阿弥コーチが作ってくれるレッツスイム三鷹の雰囲気が大好きです。みんな一生懸命泳ぐんですけどガツガツせずおだやかで心地いい雰囲気をつくってくれている。みんな阿弥コーチに会いたくて来てるんじゃないかな。ひとりひとりをちゃんと見て、指導してくれるのも嬉しいなと思います。

取材日:202110

取材・文:東海林美佳

ライター。一般誌、企業誌、スポーツ専門メディアなどに寄稿。いよいよ年末。年末といえばあれ。そう、Let’s 221本。全部は無理ですが(もう白旗)自分なりに燃え尽きるところまでがんばります。

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